◎「面+白い」とは、こういうこと。
ポプラ社から、新刊を出します。
この本の帯には「佐藤雅彦が編んだ本。」とありますが、そのとおりアンソロジーの形式です。ただ、もとになったものが、どれも高校や中学の国語の教科書に載った小説なのです。
なぜ、こんな編み方をしたのかは、本のあとがきにも記しましたが、小学生時代のある出来事に起因しています。そして具体的に教科書を集め、面白い小説を探し出したのが、1990年代の初めなので、もう大分経ちます。その時は、単に自分が面白いものを読みたい一心でやっていたのです。
どの小説も、面白さという点では群を抜いています。こういう面白さがあるのか、そんな面白さもあったのか、となると思います。
読書をあまりしない人も読書好きの人も夢中になります。
是非、お手にとって見てください。
1 とんかつ…………三浦哲朗
2 出口入口…………永井龍男
3 絵本………………松下竜一
4 ある夜……………広津和郎
5 少年の夏…………吉村 昭
6 形…………………菊池 寛
7 良識派……………安部公房
8 父の列車…………吉村 康
9 竹生島の老僧、
水練のこと………古今著聞集
10 蠅…………………横光利一
11 ベンチ……………リヒター
上田真而子 訳
12 雛…………………芥川龍之介
〈全12編〉
「教科書に載った小説」
佐藤雅彦 編
ポプラ社 刊
◎ 装丁は、ユーフラテスの貝塚智子さんに担当してもらいました。
美しく、落ち着いていて、とてもきれいな仕上がりです。